団塊世代には懐かしく、風情のある土間。
土間とは土足で上がることができる部分で、一昔前の家屋では玄関から居間や台所に続く部分を土間にしているところが殆どでした。
昔は農業をしていた家が多かったため、そのような作りの家が多かったのですが、今でも地方に行くと、土間のある家を見ることができます。
農作業で汚れたままの格好で家に入っても、汚れた服や靴を土間で脱ぐことができるため、室内は汚れません。
また、土間なら外から見えることもなく着替えることができます。
さらに、土間なら農作業に使う農具を置いても雨に濡れず、安心です。
団塊世代であればそのような作りの家に子供の頃住んでいたり、たまに遊びに行く田舎の祖父母の家が土間だったという人も多いのではないでしょうか。
昭和の中期ごろまでは、土間を取り入れた住宅がありましたが、それ以降都会ではめっきり見なくなりました。
都会で土間のある住宅が減少した理由は有効面積が少ないからです。
しかし、田舎でも農業をする家が減ったことと、生活スタイルの変化で土間のある家は減少しました。
一時期減少した土間ですが現在、土間のある家は懐かしさや便利さが注目され、人気が出ています。
たとえば、土間があると自転車やベビーカーを置くことができ、盗難防止にもなります。
また、屋外ではないため自転車などの劣化を防ぐことができます。
また、昔ながらのカマドや薪を使ったストーブを取り入れたいと言う人が多く、部屋の中に置いておくよりも、土間に置いておいた方が火事になりにくいと言うメリットがあります。
このようなメリットがあることも手伝って、団塊世代の人達をはじめ土間の良さを見直そうとする動きが出てきました。
ただ、土間にはデメリットもあります。
最大のデメリットは生活空間が狭くなることです。
さらに、土間は素足で降りることができず靴やサンダルなどを履かなければならないという点。
また、小さい子供がいる場合、室内から落ちることもありますので、何らかの対策を設ける必要があります。
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