今から家族を増やそうと考えている若い夫婦と団塊世代とでは、注文住宅のポイントは変わってきます。
高齢期を迎えた団塊世代には、介護を意識した家づくりが求められています。
手すりが必要な場合は、自分の身長と掴みやすい位置を計算して、廊下や階段、浴室などに設置すると良いでしょう。
また、車いすが必要な場合は、エレベーターの設置も選択肢の一つです。
現時点ではまだ必要がない人は、将来的に必要になったときのために、下地を補強などの準備をしておくことをおすすめします。
高齢になって筋力が衰えると、重いドアやドアノブ、ちょっとした床の段差なども障害となります。
引き戸にすると楽に開閉できるだけでなく、中で倒れたときも外から開けやすくなるでしょう。
浴室やトイレは冬場になるとヒートショックの危険性が考えられるため、部屋や廊下、脱衣所などとの温度差をできるだけなくすこともポイントです。
団塊世代は生活動線がコンパクトにまとまるように、使用する部屋を近づけるとさらに良いでしょう。
団塊世代が注文住宅を建てるときには、部屋のすみずみまで介護のしやすさを意識したいところです。
家の中で高齢者の事故が起きやすいとされている浴室は、特に注意が必要です。
濡れた床で転倒することのないように、濡れても滑りにくい加工や、すぐに乾く加工がされた床材を選ぶことは基本です。
その他、またぎやすい高さの浴槽を選ぶこと、誤って当たってしまったときに割れにくいガラスにしておくことなどが挙げられます。
トイレや洗面所は、2人入っても余裕のあるスペースを取っておいた方が、介護はしやすくなります。
キッチンは火を扱う場所なので、一歩間違うと大きな事故につながりかねません。
しかし、IH調理なら火を使わないから絶対に安全とも言い切れず、使い慣れていない人にとっては余計に事故の可能性を高めることもあるので、十分な注意が必要です。
団塊世代向けの注文住宅では、このように家の機能面で様々な工夫を施すことができます。
そして、家族とのコミュニケーションの取りやすさなど、介護を受ける側の気持ちも考えられた設計にすることも大切なポイントです。
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