漆喰の壁の手入れについて
≪見直されている漆喰の壁≫
近年、日本の建築業界で見直されている漆喰壁。
漆喰は石灰に麻の繊維を加え、海草などで作った接着剤や水を加えて作られます。
強い殺菌作用があり、気硬性といって二酸化炭素と反応すると硬くなる性質もあるため、時間が経てば経つほど堅牢になり、100年以上もつといわれています。
≪漆喰の効果≫
漆喰にはさまざまな効果がありますが、特筆すべきは優れた吸湿・放湿効果です。
湿度の高い夏場は湿気を吸い込んで溜めておき、冬場乾燥してくると溜めていた湿気を放出します。
調湿効果があってカビがつきにくいことから、漆喰は押入れの壁などによく使われてきました。
また、漆喰の成分は静電気を帯びないので、ほこりがつきにくく壁が汚れにくくなります。
さらに、強いアルカリ性のため細菌の生育・増殖を抑え、カビやダニの発生を防止します。
このように漆喰はさまざまな効果があるのですが、
日本では昔から住宅の壁に使用されてきたため、特に目新しい物ではありません。
しかし、化学的な建築素材で引き起こされるシックハウスが問題となっていることもあり、
近年では人体にやさしい漆喰が見直されています。
≪漆喰の壁の手入れについて≫
漆喰の壁が汚れた場合はお手入れが必要ですが、まずは自分でできる方法を試してみましょう。
硬い漆喰壁の場合、汚れた部分は消しゴムで消したり、カッターナイフやサンドペーパーで削ることがおすすめです。
ただし、削り落とすと周囲と色やテクスチャーが変わってしまうことが多いので、
様子を見ながら注意して少しずつお手入れしていきましょう。
また、大きなキズや汚れが付いた場合は、塗り直すしか方法はありません。
この場合も、塗り直した箇所は目立ちやすくなるため、周囲とのバランスを見ながら補修しましょう。
また、経年変化で壁が全体的にくすんでいる場合は、
ローラーを使って薄めた漆喰を塗るというメンテナンス方法もあります。
キズや汚れ箇所が大きく本格的に補修したい場合は、思い切って壁一面を塗り替えることがおすすめです。